歯周病の主要な原因は、歯垢(プラーク)と呼ばれる微生物です。
歯垢は、歯磨きが不完全な場合に蓄積し、時間の経過とともに嫌気性細菌が増殖します。
この細菌の増殖が、歯周病の兆候である歯肉の炎症(歯ぐきの出血、発赤、腫れ)を引き起こします。
さらに、この炎症が持続すると、毒性物質が血管を通じて体全体に影響を及ぼし、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎など、全身の健康に深刻な疾患を引き起こす可能性があります。
歯周病の特徴
歯周病の特徴的な点は痛みがあまりないことです。
急な歯の痛みはしばしば辛い経験ですが、歯周病は進行しても初期段階では大きな痛みを感じないことが多いため、注意が必要です。
また、それとは反対に歯科治療が行われることにより、全身の症状が改善することもあります。
このことから、お口の健康は全身の健康と不可分の関係にあることが分かります。
歯の治療中に行うべき事
歯の治療中や入れ歯の修理時などで噛むことが難しい状況では、食欲が低下し、栄養不足に陥る可能性があります。
これにより、体内のタンパク質が減少し、全身の健康や内臓の機能に悪影響を及ぼすことがあります。
したがって、歯科治療を受ける際には出来るだけ胃腸の動きを活性化させ、栄養を吸収できる状態を維持しておくことが重要と云えます。
特にタンパク質の摂取が大事であり、サプリメントではなく、豆乳、豆腐、納豆、味噌などの良質なタンパク質を多く含む食品を摂取することが推奨されています。
歯周病の予防
歯周病とその他の口腔疾患の予防は、お口の健康だけでなく、全身の疾患のリスクを軽減するのに役立ちます。
そのため、日常的な歯磨きと口腔ケアを実践し、歯科医院を訪れる際には、全身の健康情報をスタッフに伝えましょう。
特に、薬物治療に関する情報や履歴を共有することで、治療の安全性を高めることができます。
さらに、歯周病など口腔健康に関連する疾患については、歯科医療だけでなく、医科との連携が極めて重要です。
口腔健康と全身の健康の相互関係を理解し、各専門職が連携して患者の健康を維持または向上させる取り組みが大切です。
歯周病を含むお口の問題は、全身の健康に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、その重要性を認識して適切なケアを行うことが大事です。