ここ数回のコラムでは「管理栄養士」についてお話させていただきましたが
そもそも栄養を管理する専門職である「管理栄養士」はもちろん「栄養」の専門家ではあるのですがこの「栄養」という言葉も、日常的に用いてはいますが、よくよく考えてみますと、その意味を十全に知っているのかと考えてみますと、不安になってきます。
栄養の意味
「栄養」という言葉の意味は、生物が成長して、正常な機能を維持するために必要な栄養素全般を指します。
栄養は、私たちの身体がエネルギーを生み出し、組織を形成して、代謝を調整するために必要な物質を提供します。
栄養は一般的に以下三つの主要な栄養素へと分類されます。
1.【エネルギー源となる栄養素】
炭水化物、脂質、タンパク質などが含まれます。これらの栄養素は私たちの体にエネルギーを供給し、日常の活動や体の機能を維持するために必要です。
2.【ミネラルとビタミン】
ミネラルやビタミンは、微量ですが身体の維持に必要な栄養素です。ミネラルにはカルシウム、鉄、亜鉛などがあり、ビタミンにはビタミンA、ビタミンC、ビタミンDなどがあります。これら栄養素は、骨や歯の形成、免疫機能の維持、細胞の成長などで重要な役割を果たします。
3.【水】
水は栄養として生命に不可欠なものであり、私たちの体の構成要素であり、体温の調節、栄養素の輸送、体内の代謝反応の促進など、多くの生体機能に関与しています。
これらの栄養素は通常、飲食によって摂取されます。
栄養の重要性
バランスの取れた栄養摂取は、健康維持や疾病の予防においても重要であり、同時に個々の栄養ニーズは、年齢、性別、身体活動レベル、妊娠など特定の状態により異なる場合もあります。
栄養学は、こうした栄養に関しての科学的な研究を行う学問の一領域であり、健康な食事習慣の促進や、さまざまな栄養に関する問題の解決に取り組んでいます。
しかしながら、現在の我が国での「栄養」についての一般的な見解になると思われますが、少し遡って「栄養」という言葉を少し調べたところ、
明治期以降からの使用が多く、また現在と同じ意味での「栄養」が一般的になったのは、大正期に佐伯矩(ただす)博士によって提唱されて以降と云えます。
それ以前の頃は、現在の「栄養」と同じ意味として「滋養」「営養」「衛生」「精のつく」といった言葉も用いられていましたが、たしかに、これらの言葉は現在の「栄養」とは微妙にニュアンスが異なるように思われます。
(つづく)