歯科医療機関に勤務する管理栄養士は、栄養管理の専門家として重要な役割を担っています。
管理栄養士が患者さんのサポート
近年の予防歯科の考えが浸透した歯科医療機関で勤務する管理栄養士は、治療が必要な患者さんのみならず、すべての患者さんがお口から食事をおいしく食べられるようにサポートをしています。
具体的には、治療前のカウンセリングや検査時に食事と生活習慣についてのヒアリングを行い、その際に見つかった改善すべき点については必要な指導を行い、口腔内の健康支援をしています。
また、栄養管理の専門家としては、外来・訪問の患者さんに対してカウンセリングを行います。
そこでは摂食嚥下機能の障害や生活習慣病を抱える方、発達期のお子さん、ご高齢の障害のある方々など、幅広いニーズに対応する必要があります。
それは、食事形態や栄養状態の改善を提案するに留まらず、乳幼児、児童に対する食事指導を行い、妊娠中や出産後のお母さんたちにも、口腔内の健康維持や適切な栄養の摂取の仕方などについての提案を行います。
当然と云えば当然ですが、歯科医療機関で勤務する管理栄養士は、歯科医師や歯科衛生士等と連携して、患者さんへの栄養相談、栄養指導、食育指導、予防セミナーなどを行っています。
サポート内容の詳細
その具体的内容は、外来栄養指導や訪問栄養指導、食育セミナーや離乳食教室、カウンセリング、講習会、啓発用や健康イベントのポスター作成などが挙げられます。
さらに医療機関によっては、受付業務や電話対応、歯科助手としてのアシスタント業務なども行うことがあるかもしれません。
歯科医院での管理栄養士の勤務体系
他方で、歯科医療機関によっては勤務時間が限られている場合もあるため、事前の確認が必要です。
歯科医療機関で勤務する管理栄養士の給与は、月収20万〜30万円、年収では300〜400万円前後が一般的とのことです。
注意すべきこととして、募集要項には「管理栄養士・栄養士」としての求人と「歯科助手(管理栄養士・栄養士優遇)」という求人があり、これにより職務内容や給与に違いがあることがあります。
歯科医療機関での勤務は、他の歯科医療スタッフや患者さんと接する機会が多く、コミュニケーション能力が求められます。
さまざまな年齢層の患者さんに適切に対応するためには、よく理解された栄養学の総合的な知識が必要です。
歯科医師や歯科衛生士と連携する機会が多いため、科学的な知見に基づく判断や行動力も重要になってきます。
自分の専門知識を活かして、患者さんの健康にも寄与して、やりがいを感じられる新たな領域に歯科医療機関での勤務を目指す管理栄養士は立つことになると云えるでしょう。