先日のコラムで、四年制大学での歯科衛生士養成課程についてお話させていただきました。
その続きをお話したいと思います。
歯科衛生士のための大学
首都圏で四年制大学での歯科衛生士養成課程が設置されている大学は、東京医科歯科大学、千葉県立保健医療大学、埼玉県立大学にくわえて、明海大学保健医療学部、口腔保健学科(定員70名)があります。
当学科は2019年に新設され、首都圏、東日本で初の私立四年制大学での歯科衛生士養成課程になります。
近年、少子化が進行していることはご承知の通りであり、また最近の首都圏では、閉学が決定した四年制大学があるとも耳にします。
このような大学にとっては厳しい時代の中で、明海大学の口腔保健学科が設置、西日本では2017年に徳島県の徳島文理大学に口腔保健学科(定員40名)が設置され、近畿圏では二つの大学に新たな歯科衛生士養成学科が新設されました。
こうした学科新設の動きは、少子化と矛盾していると思われるかもしれませんが、歯科衛生士は、国内どの地域であっても慢性的に不足しているのです。
また、こうした国家資格を伴う職種は、国が管理していることから、新たな学科の新設などについては慎重にならざるを得ないのです。
大学の専門学校吸収や改組
歯科衛生士養成学科の新設は続いているのです。今後も、こうした流れが続いていくと考えられます。
具体的には、歯科衛生士専門学校を四年制大学が吸収し、専門学校から四年制大学へ改組することや、歯科衛生士学科を擁する医療系専門学校が四年制大学の一種である専門職大学へ改組するといったことなどが挙げられます。
他の医療専門職の養成課程においては、近年見受けられることであることから、この流れが歯科衛生士の養成課程にも波及するものと推察されます。
歯科衛生士取得のコツ
これら四年制大学の歯科衛生士養成課程は、国公立であれば多少入学が難しく、私立であれば学費が高いのではないかとお考えになる方も少なからずいらっしゃると思われます。
そこで、学費が比較的安価で、最終的に四年制大学での歯科衛生士養成課程の卒業にまで至る一つの方法として、はじめに学費が比較的安価な公立の歯科衛生士学科を擁する医療系専門学校に入学して3年で卒業、免許取得の後、学費が比較的安価な国公立大学の歯科衛生士養成課程に編入学するといった経路が挙げられます。
具体的に一例挙げますと、
首都圏からは少し外れますが、栃木県立衛生福祉大学校の歯科衛生学科(定員30名)に入学します。
一般的な国家資格系の大学、短期大学、専門学校より安価であると思われます。
ここで修業年限の3年間学び、国家試験に臨むのですが、その最終学年時に、新潟大学歯学部口腔生命福祉学科(歯科衛生士養成課程)への3年次編入試験を受験します。
上記の一例の実践は多少難しいかもしれませんが、それまで真面目に勉学に取り組んでいれば絶望的ということはないと考えます。
また大学の学費は、初年度で入学金と合わせて90万円ほどで、次年度(最終学年)からは55万円ほどであることから大学の学費としては、そこまで高額ではないと思われます。
また、「そもそも、歯科衛生士専門学校に3年間通い、歯科衛生士免許を取得して、すぐに就職をせずに四年制大学に編入することにどのような意味があるのか?」とお考えになる方もいらっしゃるのではないかとも思います。
その疑問についきましては、また次回のコラムにて持論を述べたいと思います。
(続く)