今回は、歯科衛生士のお話の続きとして養成課程についてお話させていただきます。
2001(平成13)年には、歯科衛生士学校の修行年限は「最低でも2年」から3年へと延長されました。
2004(平成16)年には4年制大学としての歯科衛生士養成課程が設置されました。
このようにして歯科衛生士の養成課程の辿って来た途について調べてみますと、その経路は、看護師や診療放射線技師などといった他の医療専門職の養成課程の変遷とも類似しているのではないでしょうか。
それを端的に述べますと、修業年限の延長と4年制大学化になります。
このコラムをお読み頂いている40代以降の方々の多くは、歯科衛生士に4年制学科があることを御存知でしたでしょうか?
歯科衛生士の取得の場
将来の進路について検討する年齢に差し掛かったお子様がおられる皆様へ
「歯科衛生士」は、これまでの先輩歯科衛生士の頑張りのおかげで、活躍の場が今現在もより一層広がっている医療専門職となっているのです。
歯科医療の強力な担い手であり、専門性も高まってきたことからさきの4年制大学化も進みました。
さらに、その養成学科教員においても歯科衛生士を背景とする方々が増えつつあります。
つまり、この先も自らの努力によって、活躍の場を見出すことが出来る職種であるということになります。
まさに歯科衛生士は「手に職」と云えるでしょう。
歯科衛生士養成課程
では、具体的に首都圏における4年制大学での歯科衛生士養成課程を挙げていきたいと思います。
■東京医科歯科大学歯学部の口腔保健学科・口腔保健衛生学専攻(定員22名)
こちらは1951(昭和26)年に設置された歯学部附属歯科衛生士学校を母体として、その後2004年には4年制大学となりました。
こちらの専攻の特色は、併設する歯学部・医学部病院といった多職種連携が求められる環境で、口腔健康管理を担う専門職としての素養を学び、経験を積むことが出来る環境です。
また、海外の大学での研修や大学間交流などの国際交流も活発に行っています。
■千葉県立保健医療大学の歯科衛生学科(定員25名)
千葉県立衛生短期大学、千葉県医療技術大学校を統合整備して歯科衛生学科を含む4年制の県立大学として2009(平成21)年に開学した比較的新しい大学です。
こちらの学科では、公立大学であることから、各学科、県内の各種公的機関との連携・協働によって地域における保健医療に関するシンクタンクのような役割も果たしております。
また、歯科衛生学科においては、臨床と同様に関連職種と協働して、リーダーとしての役割を担うことが出来る人材の育成に力を入れているそうです。
こちら大学は広く地域に貢献することが出来る歯科衛生士の養成を目指していると云えます。
■埼玉県立大学の保健医療福祉学部・健康開発学科・口腔保健科学専攻(定員30名)
1999(平成11)年に開学した大学です。
口腔保健科学専攻は、2006(平成18)年に新設された健康開発学科の専攻の一つとして設置されました。千葉県立保健医療大学と同様、公立大学らしく、地域の口腔保健活動への貢献や多職種との連携をとりつつ、広い視野にて口腔領域からの健康を推進することが出来るプロフェッショナルの養成を目指しているとのことであり、近年の4年制大学での歯科衛生士養成においては国際交流、地域貢献、多職種連携がキーワードになっているように見受けられます。
また、他にも4年制大学での歯科衛生士養成課程が設置されておりますが、それらについてはまた後日述べたいと思います。