今回は歯科治療の材料についてお話させていただきます。
各材料の特徴について
①:有機材料(プラスチックなどの高分子)
②:無機材料(セラミックスなど)
瀬戸物の工程と同じように焼成することにより硬く、化学的安定性に優れているのが特徴です。
変色・着色が少なく天然の歯の色調に近いことから審美性に優れ、身体の中においても変化せず、為害性が極めて低いことが挙げられます。
③: 金属材料(金属・合金など)
金属のように強度が優れていますが、無機材料と比べて、微妙な透過性・透光性がなく、特有の金属光沢があります。
また、種類によっても異なりますが、総じて生体為害性の発露といえる金属アレルギーが生じる可能性があります。
近年の各種貴金属の価格高騰や、さまざまな加工技術の進化によって、歯科材料として用いる利点が乏しくなりつつあるのが現状であるといえます。
④ :複合材料(①〜③を組み合わせたもの)
各材料の長所を組み合わせたもので代表的なのがコンポジットレジン、硬質レジンなどがあります。
一般的に①:有機材料と比べ、強度は優れているものの、審美性や為害性の低さでは②:無機材料に劣り、また強度においては ③: 金属材料よりも劣るといえます。
どういった材料がよく使われるのか
歯科材料の中で、古くから用いられてきたものが③: 金属材料(金属・合金など)です。
金は加工が容易でありイオン化傾向が小さいことから、口の中でも溶け出すことなく安定である性質から紀元前5世紀頃のイタリア半島中部にあった都市国家群であるエトルリアの故地にて
『差し歯ブリッジ』
『歯根付可撤式部分義歯』
の結束に用いられていたのが金によって作られた「針金」でした。
保険診療のため、安価に治療することができます。
先程、「 ③: 金属材料(金属・合金など)は、歯科材料として用いる利点が乏しくなりつつある」と述べましたが、金の加工の容易さや、為害性の低さから、口の中で用いる材料として多用されてきました。
歯科業界では、「金こそが最高の歯科材料」と考えられる方々もいらっしゃいますが、こうした見解も、「各種貴金属の価格高騰や、さまざまな加工技術の進化」といった事情がなければ、十分に合理的であり説得力を持ち得るのです。
まとめ
時代の変化と共に歯科材料を加工する技術の進化・発展があります。
同時に歯科材料に対する評価や見解もまた変化していくのです。
こばやし歯科クリニックでは、患者様一人一人に適した材料をご提案して治療を進めております。悩みの方はお気軽にご相談ください。