本日は「顎関節症」についてお話をしたいと思います。
顎関節症(がくかんせつしょう)とは
顎関節症(がくかんせつしょう)とは、顎関節や咀嚼筋(そしゃくきん)の痛み、顎関節の雑音、開口障害ないし顎運動の異常を主要症候とする障害の包括的診断名です。
顎関節症の診断基準は、これらの症状のうち少なくとも1つ以上あることとされています。それゆえ、咬み合わせの違和感、耳の症状、頭痛、首や肩のこり、画像検査による異常などだけでは顎関節症とは診断されないことが多い傾向にあります。
顎関節症(がくかんせつしょう)の要因
発症には、解剖学的要因、咬合要因、外傷要因、精神的要因、行動要因のさまざまな因子が関連していると考えられています。
ストレスの多い現代では、日中・夜間のくいしばりなどの行動要因が注目されています。
精神的なストレスは筋肉の緊張を引き起こし、咀嚼筋や顎関節への負担を増加させる可能性があります。
様々な因子が影響しあうことで症状を発現している可能性があるのです。
なかなか難しいとは思いますがストレスをため込まないこと、顎関節にとって悪影響を及ぼすような習慣(強い食いしばり、歯ぎしり、頬づえなど)を自覚し、それらを意識して中止することが顎関節症の症状を改善するには重要です。
厚生労働省の調査によると10代~20代で顎関節に痛みを感じている方が多いようです。
顎関節症(がくかんせつしょう)の治療法
顎関節症に対する治療法としては、以下のことが挙げられます。
- ①薬物療法
- ②スプリント(マウスピース)療法
- ③理学療法、認知行動療法など
日本顎関節学会の診療ガイドラインを基に治療を進めていきます。
顎関節症は、現在では、時間の経過とともに症状が軽減すると考えられています。
それゆえ、手術などの外科的治療をすることはほとんどありません。
また、著しい痛みがある場合は、咬み合わせの調整などの非可逆的な治療(元の状態に戻すことができない治療)は行いません。
上記の①~③は可逆的な治療(元の状態に戻すことができる治療)です。
まずは可逆的な治療を優先し、顎関節の症状は生活の質を低下させかねません。
顎関節症(がくかんせつしょう)は専門医に相談
顎関節の症状が長引く場合には、専門医の診察とCT検査およびMRI検査を受けることをお勧めいたします。
耳の症状や頭痛、首や肩こりなどは正確には顎関節症の関連は明らかになっていません。これらが併発している・顎関節症以外の病気が疑われる場合には、医科の受診をお勧めいたします。
顎関節症はストレスの多い現代では現代病といってもいいでしょう。顎関節に違和感がある場合は放置せず、歯科医院にご相談して下さいね。