フッ素という言葉は多くの方が耳にされたことがあると思います。
フッ素は虫歯予防として周知されています。
製品としては、フッ素配合歯磨き粉、フッ素配合ジェル、フッ素洗口液などとさまざまなものがあります。
今回は歯科医院で行うフッ素歯面塗布についてお話をしたいと思います。
フッ素歯面塗布とは
歯科医院で行うフッ素歯面塗布の濃度は高濃度のため専門家(医療スタッフ)が安全に取り扱わないといけません。
高濃度であるため虫歯予防としては効果が大きいです。
フッ素は歯の表面の歯質を強くしてくれます。
フッ素はむし歯になりかかっている歯の再石灰化(治す作用)を促進してくれます。
ご家庭での十分なブラッシングと合わせて定期的なフッ素歯面塗布を行うことで高い予防効果が得られます。
歯科医院で「フッ素塗布」を行う場合には、まずは「歯垢(プラーク)」を除去してから行います。
対象年齢は乳歯の前歯が生える1歳頃からです。
もちろん、大人の歯(永久歯)でも可能です。
フッ化物歯面塗布は単に1回受けても永久的な持続効果は得られません。
年2回以上定期的に継続して受ける必要があります。
フッ素歯面塗布の効果
効果としては、乳幼児に定期的に継続して実施した場合、むし歯をほぼ半分に減少させたとの報告があります。
また永久歯に対する予防効果については20~30%程度のようです。
塗布の仕方は3種類あります。主に以下の①、②が主流です。
- ■綿球・綿棒を使用:溶液タイプの製剤を用いて、小綿球または綿棒に浸して歯面に塗布。
- ■歯ブラシを使用:ゲル(ジェル)タイプの製剤を、通常の歯磨きの要領で歯ブラシで歯面に塗布。
- ■トレーを使用:既成または個々人の歯列に合わせたトレーにゲルまたは溶液タイプの製剤をのせ、歯面に接触させる。
塗布後の注意点や保健指導は以下です。
- ■塗布終了後に唾液を吐き出し、うがいや飲食は30分間しない。
- ■乳幼児の場合、保護者に対して間食指導・ブラッシング指導があります。
- ■次回塗布の予約手続きを行います。
5年ごとに実施される歯科疾患実態調査では、平成28年の結果は「フッ化物歯面塗布を受けたことがある方」の割合は62.5%と半分以上の方が経験されていました。
虫歯予防に効果的な治療
フッ素歯面塗布は虫歯予防効果が手軽に歯科医院で行える予防治療(塗るだけなので痛くありません)ですので、是非、歯科医院を受診してください。
我が国は子供たちの虫歯がだんだんと減ってきています。
フッ素を日常に取り入れて虫歯ゼロを目指しましょう!
フッ素塗布を通し歯科医院への来院が習慣化すると、虫歯の早期発見にもつながります。
お子様の虫歯予防のためにも通うというのがこれからは理想的だといえるでしょう。
(終わり)