以前、滅菌室についてお話させていただきましたが、
今回は使用器具についてお話させていただきます。
さて、治療中に使用する器具がきれいかどうか、使い回しされていないか、気になるところだと思います。
院内で使用するすべての機器はしっかりと滅菌処理しておりますので、ご安心ください。
また、ディスポ―ザルできるものは感染管理産業廃棄物として廃棄しております。
滅菌方法について
歯科医院で使用するすべての器具は「オートクレーブ」という方法で滅菌をしております。
滅菌のクラスには3種類(高クラス順にクラスB、クラスS、クラスN)あります。
オートクレーブは最高クラスのクラスBに分類されます。
・クラスB(Big):すべての形態の医療機器の滅菌が可能
・クラスS(Special):複雑な形状の医療機器の滅菌が可能
・クラスN(Naked):一般的な歯科医療施設で行なわれる滅菌が可能
オートクレーブは特殊な機械に器具を入れ、「2気圧、121℃」の環境の下で15~20分ほど処理します。
処理は各患者様個々人、使用ごとに行っています。
滅菌が終了したものは各個包装(滅菌パック)して保管しています。
診療時に、袋を開けてトレーに器具が取り出されるのを見たことがあると思います。
滅菌の手順
ここで、洗浄、消毒、滅菌の違いに少しふれておきたいと思います。
これらは簡単に以下のようになっております。
・洗浄
対象物からあらゆる異物(汚染・有機物など)を除去すること。
(表面に付着した汚れを洗い、すすぐなどをして除去すること)
・消毒
対象からすべてまたは多数の病原微生物(細菌芽胞を除く)を除去すること。
必ずしも、微生物をすべて殺滅することではない。
・滅菌
微生物をすべて完全に除去、あるいは殺滅すること。
※オートクレーブは滅菌です。
消毒について
医療機器以外は主に消毒を行っております。
消毒には物理的消毒、化学的消毒という2種類があります。
①物理的消毒
消毒剤を使用しないで微生物を除去すること。
熱による消毒法と紫外線による消毒法があります。
熱による消毒法:乾燥した熱(160℃以上)で芽胞以外の一般細菌を感染可能な水準以下
に殺菌または不活化する。湿った熱(湿熱)では80℃、10分間の処理。
※蒸気は熱水より高い殺菌作用があります。
紫外線による消毒法:紫外線が当たる表面のみに効果。
②化学的消毒法
消毒剤を使用した消毒方法。
熱が使用できない場合の消毒方法。
※生体および環境、非耐熱性の医療器具などが対象
以上のように、こばやし歯科クリニックでは消毒・殺菌には細心の注意を払っておりますので、安心して受診してくださいね。