前回は歯科医院の治療の際にユニットからでる水(うがい用)・タービンなどの切削器具から噴霧する水が、実は消毒水であり殺菌効果もあるとお話させていただきました。
今回はもう一つの感染予防対策として、こばやし歯科クリニックの「空気清浄」についてお話をさせていただきます。
院内の空気が綺麗であるかどうかは気になるところですよね。治療中は口を開けており、口腔内への空気の流入が頻繁にある環境だからです。
こばやし歯科の院内換気について
こばやし歯科クリニックでは患者さんが安心して受診できるよう、HEPAフィルター完備の空調システムを使用しています。
「HEPAフィルター」という言葉は、市販されている空気清浄機の宣伝などで目にしたり聞いたことがある方が多いと思います。
HEPAフィルターとは「High Efficiency Particulate Air Filter」の略語です。
JIS規格では『定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を有しており、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター』と規定されています。
医療施設の様な高度な清浄空間が要求される空調機器には用いられています。
HEPAフィルターで除去できる粒子には以下の物があります。
- ①花粉
- ②ダニ
- ③細菌
- ④ウィルス
- ⑤PM2.5
- ⑥煙(たばこ)
コロナウィルスが除去できるかどうかが気になるところだと思います。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の見解では、「HEPAフィルターを搭載した空気清浄機はコロナ対策としても有効である」とのことです。
新型コロナウイルスの粒子自体は約0.1μmと非常に小さいです。
ウイルスは咳をしたり、話をしたりする際に出る飛沫に閉じ込められた状態で空気中を浮遊します。
しかしながら、水分を含み重いため長時間は漂えずに落下します。
その後、水分が乾燥すると、エアロゾル(空気中を浮遊する微小な粒子の総称)としてウィルスが空気中を浮遊するのです。
東京大学医科学研究所と国立国際医療研究センターの研究発表によると、HEPAフィルターを搭載した空気清浄機を用いることで、エアロゾル中に存在する感染性の新型コロナウイルスを経時的に除去が可能であったとのことです。
歯科医院では会話のみならず、治療ではエアーを使って回転する歯科器具、外科器具、超音波スケーラー、スリーウェイシリンジといった目に見える飛沫を産生する環境です。その飛沫には、水、唾液、血液、微生物、およびその他破片の飛沫粒子が含まれている可能性があります。
このような物もHEPAフィルターは除去してくれます。
定期的にフィルター交換を実施しておりますので、常に新鮮な空気環境です。
以上が空気清浄のお話でした。
(終わり)