口の中(舌、歯肉、頬粘膜など)にできる「癌」を総称して口腔癌といいます。
厚生労働省「平成29年全国眼登録 罹患数・率 報告」によると、口腔癌の発生率は全癌の約2%で、口腔・咽頭癌の年齢調整罹患率(人口10万人対)は男性14.3、女性5.2と男性が多い状況です。
代表的な口腔癌は、舌にできる「舌癌」です。今回は「舌癌」について軽くお話させていただきます。
舌癌とは
舌癌は口腔癌の50%以上を占めています。その他、歯肉癌、頬粘膜癌、口唇癌など、口腔癌にはさまざまな種類があります。
芸能人の方も舌癌に罹患していることを公表されておられる方がおられ、「舌癌」という言葉は聞いたことある方が多いと思います。
舌癌はその名の通り、舌にできる癌です。
とくに舌の側面や裏側にできる傾向が多いです。
主な発生要因は、喫煙、飲酒、適合の悪い入れ歯や虫歯による慢性的な刺激です。
見た目の特徴としては、粘膜の表面が赤くなったり、白くなったり、凹凸や潰瘍ができるといったことです。
しかしながら、これらの症状は口腔癌だけに特徴的な症状ではありません。
癌かどうかを見極めるのは非常に困難です。
また、初期の口腔癌では、痛みのようなはっきりとした症状はあまり見られません。
見た目が口内炎と似ているので、口内炎だと思って放置していたら、実は癌だったということは決して珍しくありません。
舌癌の疑いがある場合は?
2週間以上も治らない口内炎であったり、痛みが出たり、舌の動きが悪くなったりしている場合や顎の下のリンパ腺が腫れて硬いしこりを触れる場合は、癌がすでに進行している場合も考えられます。
以下に、セルフチェック表(口腔癌の初期症状)を示しておきますので、ご参考ください。
- ・2週間以上も治らない口内炎がある。
- ・3週間以上も続く白く変わった部分がある。(拭っても取れない)
- ・3週間以上も続く赤く変わった部分がある。
- ・入れ歯や尖った歯が当たって傷が出来ている。
- ・3週間以上も嚥下がしにくい。
- ・舌の動きが悪い、シビレがある。
- ・口の中にシコリ、硬いできものがある。
- ・顎の下や首の脇にシコリがある。
そのような明らかな症状がある場合や2週間以上も治らない口内炎がありましたら、そのままにせず歯科口腔外科・耳鼻咽喉科を受診してください。
こばやし歯科クリニックには「口腔内蛍光観察装置」を設備しております。
この装置は、特殊な光を口腔内に照射し目視ではみれない「癌の疑いがある部分」を早期発見することができます。
当院には口腔外科医もいますので、いつでもご相談ください。
(終わり)