「骨粗しょう症」という言葉はお聞きになったことがある方は多いと思われます。
今回は骨粗しょう症についてお話させていただきます。
①原因について
骨粗しょう症とは、骨の強さが低下して、骨折しやすい状態になってしまうことです。
骨粗しょう症にはホルモンのバランスの崩れやカルシウムの低下、ビタミンDの低下などが関わっています。加齢などの他に食事や運動といった生活習慣に関わる要因が主でしょう。
骨の強さは、骨量の指標となる「骨密度」と骨の構造である「骨質」の2つの要因によって決まります。
骨量は成長期に増加し、20歳頃に最大骨量になります。
その後、安定的に推移した後、加齢に伴い減少し始めます。特に、女性の50代以上は骨粗しょう症になりやすいと言われています。
最も一般的な原因には次のようなものが挙げられます。
- ・運動不足
- ・栄養失調
- ・化学療法薬
- ・低カルシウム食
- ・過度のアルコール摂取
- ・関節リウマチによる慢性炎症
- ・更年期障害
- ・低体重
- ・喫煙
- ・栄養不良
②症状について(生活にどういった影響が出るか)
初期段階では症状がなく、ほとんどの場合は何十年も気付かれません。
骨折は、最初の徴候または症状である可能性があります。
骨粗しょう症の人が転倒したときには骨折しやすくなっているので、転倒予防が必要になります。
ちょっとした衝撃で骨折をしてしまったり、転倒による骨折が多いと言われています。
③対策について
骨折してしまう前に骨の強度を高くする必要があり、食事療法や運動療法、薬物療法などが有効です。
骨粗しょう症のお薬はビスフォストネート製剤(飲み薬や注射)、デスノマブ(注射)といったものがあります。
対策方法としては下記が挙げられます。
- ・カルシウム、ビタミンD(カルシウムの吸収を促進)、ビタミンK(カルシウムの骨への取り込みを補助する)の摂取
- ・バランスの取れた健康的な食事を食べる
- ・運動することで骨を丈夫にし、かつ転ばないための筋力やバランス力をつける
- ・過度のアルコール摂取を避ける
- ・喫煙をやめる
骨太にするにはカルシウム!
骨を強くするにはやはり、カルシウムの摂取が大切です!
カルシウムは骨の重要な構成成分です。カルシウムが骨に取り込まれることにより、新しい骨が作られます。
一方、古くなった骨は破壊されカルシウムが骨から溶け出します。
骨の新生と破壊が常に繰り返されているのです。骨が新しくなることにより、骨の強さが保持されているのです。
1日3回の規則正しいバランスのとれた食事を心がけましょう!
骨の量は下顎の骨を見ただけでもある程度わかりますので、早期発見・早期治療につながります。
当院では管理栄養士による栄養指導(カルシウムチェックや塩分チェックなど)も行っておりますので、いつでもご相談くださいね。