今回は嚥下造影検査についてお話をさせていただきます。
VF検査/嚥下造影検査とは
老化や病気により嚥下する力が弱くなったり水分や食べ物が誤って気管に入り、むせたりします。また、むせずにきづかない場合もあります。このようなことの原因を探る検査です。VF検査は、バリウムなどの造影剤を含んだ食事をX線の透視下で食べいただき、透視像をビデオやDVDに記録します。嚥下時の運動や適切な食形態を評価・診断する検査です。
誤嚥の有無のチェックや、口腔・咽頭・食道の動きを観察することに有用です。様々な情報が得られる検査です。医師、歯科医師、言語聴覚士、看護師、放射線技師、栄養士などの医療スタッフが連携し、咽頭の機能、喉頭の機能や形態の異常をみるだけではなく、安全に食事を食べるための摂食時の体勢や食物形態などを見つけることができます。そして、治療方針の決定に役立てます。
VF検査でわかること
飲み込んだ食べ物が気管に入り込んだり、食道から戻ったりしないかどうかの有無。
- 食べ物を咀嚼し咽頭部への送り込みをへて食道までどのように運ばれるか。
- どの様な食形態ならば、安全に食べることが出来るのか。(食品の種類、硬さ、形状、トロミなど)
- どの様な環境で安全に食べることが出来るか(頸部の位置、姿勢、一口の量など)。
- 飲み込む機能の改善へのリハビリ法を考えること。
VE検査で使用する食べ物は以下の物があります。
ゼリー、ペースト食、軟采、常食のおかず、お粥、ご飯、常食、水分など。(トロミの硬さは、ヨーグルト状、ポタージュ状、マヨネーズ状)
以上の様に利点が多い検査ではありますが、やはりデメリットもあります。
検査のデメリット
最大のデメリットは、嚥下造影装置を配備しているクリニック数が少ないということです。また、エックス線を使用するため被爆を伴うということです。しかしながら、エックス線による被爆量は極力少なくなるように配慮して検査を実施しますので、ご安心ください。(※バリウムを使用しますので、一時的な便秘になる場合がございます。)
食事中にむせる、咳が出る、食事に時間がかかる、食後に痰が出るといった場合は、
摂食・嚥下障害であることが考えられます。
こばやし歯科クリニックでは嚥下造影検査装置が配備されており、第2、第4水曜日に原先生が担当しておりますので、お気軽にお声掛けくださいね。