KOBAYASHI DENTAL CLINIC

COLUMN

  • 健康について

歯科医療と管理栄養との連携について

近年、歯科医師や歯科衛生士などの歯科医療スタッフと管理栄養士との連携が重要視されつつあります。

従来の歯科医療では、主に歯やお口の治療に重点が置かれてきましたが、最近になってお口の健康が全身の健康に与える影響が注目されるようになりました。

そのため、 歯科医療スタッフ と 管理栄養士とが協力し、患者の食事や栄養面をサポートすることが不可欠となっています。

このような連携により、既存の歯科治療に加え、新たに栄養面での改善を含めた総合的な歯科医療が提供され、患者さんが健康な生活を維持・向上させることが可能になります。

歯や口と全身の健康の関係

むし歯や歯周病は、歯やお口にのみ限られた問題ではなく、全身の病気や生活習慣病とも密接に関連していることがわかっています。

特に、歯周病は40歳以上の約8割が罹患しており、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの深刻な病気の要因となり得ることが報告されています。

このため、歯周病の予防や治療は、お口だけでなく、全身の健康を守るためにも極めて重要と云えます。

また「メタボリックドミノ」という概念もこの流れに関連しています。生活習慣の乱れが肥満を引き起こし、その結果として高血圧や高血糖、さらには動脈硬化や心臓病が連鎖的に発生します。

むし歯や歯周病もこの連鎖に関与しており、歯科医療では患者の生活習慣病を予防するために、食生活にも十分な配慮が必要です。

新型栄養失調

最近では、「新型栄養失調」や「隠れ栄養失調」といった問題も増加しています。これらは、カロリーは十分に摂取しているものの、ビタミンやミネラルなどの必須栄養素が不足している状態を指します。

このような栄養の偏りは、免疫力の低下や疲労感、さらには貧血を引き起こします。高齢者だけでなく、若年層や働き盛りの世代にも広がっているため、栄養素のバランスを考えた食事が一層重要になっています。

歯科医療と管理栄養との連携

歯科医療と栄養指導の連携は、食べる機能に直接関わるため、非常に重要です。

例えば、歯を失うと固い食べ物を避けるようになり、柔らかい食事に偏ることで、食生活が不規則になり、全身の病気リスクが高まります。

このため、歯科医師や歯科衛生士が患者の食事内容を確認し、必要に応じて栄養指導を行うことが求められます。

近年では、管理栄養士と連携して包括的な治療を提供する歯科医療機関も増加しています。

さらに、歯科医師や歯科衛生士が管理栄養士から栄養学を学び、患者に栄養指導を行うケースも増えています。

歯科と栄養の知識を組み合わせることで、むし歯や歯周病の予防に加え、食生活の改善を通じて全身の健康維持を支援できるようになりました。今後も、このような取り組みの重要性は増していくと考えられます。

研究からも口腔の健康と全身の健康に関係性があるという結果が

科学的な研究も進んでおり、口腔の健康が全身の健康に与える影響がさらに明らかにされています。

例えば、歯を失うと噛む力が低下し、柔らかい食事に偏ることが生活習慣病のリスクを高めることがわかっています。したがって、口腔ケアを徹底し、食べる機能を維持することが全身の健康を守るために極めて重要です。

かつて、歯科医療は「むし歯を治す場所」として認識されていましたが、現在では「むし歯や歯周病を予防する場所」へと変わりつつあります。さらに、高齢化が進む中で、噛む機能や栄養状態を改善することも歯科医療の重要な役割となっています。

口腔の健康を守ることで、全身の健康を維持し、健康寿命の延長にも寄与しています。

まとめ

結論として、歯科医療と管理栄養士の連携は、現代の医療において非常に重要です。

歯科と栄養の知識を組み合わせることで、患者の生活の質を向上させ、長期的に健康を維持することが期待されます。

今後も、このような包括的な取り組みがより多くの人々の健康増進に寄与することが望まれます。

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