今年の6月に保険診療の改正があり、保険適応でCAD/CAMによる審美性の優れた材料による被せ物に出来る範囲が広がりました。
CAD/CAMとは
CAD/CAMとは、デジタル技術を用いてさまざまなものを作成する一連の技術を指します。
この技術を院内のラボ(技工所)で用いると、被せる歯の準備、型取り、被せ物の作成からセットまでを比較的速やかに出来ます。
また、この保険診療で用いるCAD/CAMによる被せ物の材料はレジン(プラスチック)とセラミック(陶器)を混ぜたハイブリットレジンであり、これにコンピューターで設計したデータに基づき機械で切削加工して作ります。
このハイブリッドレジンは一般的に時間が経つと変色・着色しやすいといった欠点もありますが、同時に天然歯に近い硬さと色調が特徴です。
PEEK(ピーク)
この材料が保険診療の対象となるより前に、昨年の12月からPEEK(ピーク)という材料を用いた被せ物が保険診療の対象となっていました。
PEEK(ピーク)は「ポリエーテルテルケトン」の略であり、端的には高強度のプラスチックです。
その色調は金属色ではないものの、天然歯とは異なり、一目でその違いが分かります。
また、材料としての性質はさきほどのハイブリッドレジンと異なり、素材にセラミックが入っていない分、たわみやすいことから、破損しにくいといった利点があります。
CAD/CAM・PEEKのメリット
CAD/CAM、PEEKによる被せ物の最大のメリットは、保険診療により比較的天然歯に近い色調の被せ物が出来ることであり、自由診療と比較して治療の費用を抑えられることです。
その保険診療の対象となるための今年6月での改正では、昨年12月での改正からさらに対象が拡大して、CAD/CAMによる被せ物を第二大臼歯(7番の歯)、第三大臼歯(8番の歯/親知らず)にも条件付きではありますが、保険適用で使えるようになりました。
保険適用の対象
その必須条件は以下のようになります。
CAD/CAMの被せ物を着ける歯の左右の反対側に、上下でしっかり噛み合う大臼歯がある(ブリッジを含む)こと。そして、いずれかが該当する条件は以下のようになっています。
- 1.CAD/CAMの被せ物を着ける歯の左右の隣に、上下でしっかり噛み合っている大臼歯があり(ブリッジを含む)、CAD/CAMの被せ物に力がかかりすぎないこと。
- 2.CAD/CAMの被せ物を着ける歯と左右の隣に、上下でしっかり噛み合う大臼歯(ブリッジ含む)がない、あるいは入れ歯の場合は、そのすぐ手前までの歯がしっかり噛み合って(ブリッジ、乳歯を含む)いることです。
以上の条件に該当される方で、これまでの銀歯でなく、白い材料による被せ物を希望される方は、是非一度、当クリニックスタッフまでお声掛けください。
状態を確認させて頂き、そして各々の患者さんにとって最適な治療をご提案いたします。
料金表(目安)
歯を削って、詰める。被せる。
までの合計の目安です。