高齢者の方々が舌ブラシを使うことにより、単に口腔内の健康を促進するだけでなく、全身の健康にも良い影響をもたらすことが期待されます。
舌ブラシのメリット
舌ブラシの使用で取り除かれる白い膜状の物質は舌苔(ぜったい)と呼ばれ、これは食べカスや細菌などが集まって形成されます。
舌苔が舌の表面に厚く付着すると、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物が増えて、口臭が生じる可能性が高まります。
さらに、舌苔が味蕾を隠蔽してしまい、味覚の感度が鈍り、食事の楽しみや食欲が減退してしまうことがあります。その上、舌苔は良くない細菌の温床になることもありますが、舌ブラシを使うことでこれらのリスクを軽減できます。
舌苔の健康被害
舌に堆積した舌苔が剥がれて気道に入ってしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。
誤嚥性肺炎は高齢者の方々にとってとても危険な病気であり、命にかかわることもあります。
また、舌は食べ物を飲み込む際に重要な役割を果たしているため、舌苔の堆積により食べ物の嚥下が滞り、消化機能も低下してしまう可能性があります。
舌ブラシの選び方・使い方
舌ブラシを使う際には、毛束が柔らかいものを選ぶことが重要です。
硬すぎるブラシは舌を傷つける恐れがあるため、優しくブラッシングするよう心がけましょう。
舌は非常に繊細な器官なので、強くこすりすぎないように気をつける必要があります。
また、舌のブラッシングは朝食後に行うのが適切です。朝食後に舌ブラシを使用することで一晩中口の中に溜まった舌苔を効果的に除去できます。
使用後は、舌ブラシをしっかりと洗い、水分を拭き取って清潔な状態を保つことが重要です。
くわえて、介護者や家族の方々は、高齢者に舌ブラシの選び方や使い方を丁寧に説明することも大事です。
舌ブラシを適切に使用することで、口の中の健康だけでなく全身の健康に良い影響を与えることが期待できます。
そのほかにも、舌ブラシについてお聞きになりたい方々は、どうぞ当クリニックスタッフにお尋ねください。